日本で一番お金持ちな職業は「無職」

消費税増税=意地汚い豚の鳴き声
http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20100610/1276115022


を読みました。論旨は同意できるのですが、消費税逆進性の部分だけ少し違う意見があります。


総務省の家計調査を拾ってみました(H21)
世帯主の職業別に「貯蓄−負債」でネット金融資産額の数字を出してみたところ以下のようになりました(単位万円)。

  • 平均:560
  • 労務作業者:382
  • 民間職員:632
  • 官公職員:762
  • 個人営業:1337
  • 法人経営者:1900
  • 自由業者:1470
  • 無職:2174

実は今、日本で一番お金持ちな職業は「無職」なのです!


世帯主が無職の世帯は平均2174万円のネット金融資産を持ってるんですよ。
うらやましいですね。


また、「無職」は持ち家率も90%超と高く、この金融資産以外にも不動産などの資産を持っています。


うらやましいからといって、明日から仕事辞めて無職になれば貯金が増えるかというと多分そんなことはありません。
無職にネオニートが多くて、相場でみんなお金持ちというわけでもありません。そういう人もいるでしょうが無職のうちの極めてわずかな比率でしょう。



この現象は、退職金や貯金を抱えたリタイヤ老人世帯の存在により起きています。
これら老人は無職だって、年金がありますから大丈夫。
税金を負担する力は十分あるはずです。
リストラ若年無職なめんな!という感じがしますね。


しかし、これらの無職お金持ち世帯はストックは沢山あるのですが、所得は少ないため、所得税を上げても全然痛くも痒くもないのです。金融資産額に注目すれば所得税自体がある意味逆進性を持つという状況ともいえます。


給付付き所得税額控除とかやったら、これらの金持ち世帯に更に給付しなければならないということになり一層ある意味での逆進性が強くなりかねません。


で、これら世帯に相応の負担をお願いするとすれば、消費税という手があります。
所得は少ないですが、消費はしますからね。旅行だの、健康食品だの。


資産課税という手もなくはないです。ま、今も無職は持ち家率が高いので固定資産税も払っているでしょうし、貯金が沢山ありますから利子の税金も払っているでしょう。
但し、資産課税強化は資産価格のダウンにつながりますからバブル崩壊時の逆資産効果を思い出すとちょっと怖い気はします。
また、資産は隠したり、ケイマンに送ったりが比較的簡単なので実効性は限られるかもしれません。



そう考えると、税金を払える人から取るための方法として消費税増税はありなような気がします。


また、ストック有り、所得なしの世帯に負担をお願いするにはインフレが手っ取り早いと思います。


これら無職老人世帯は人口が多く、更に投票率が高いため政治的パワーが圧倒的であり、資産課税強化や消費税増税はおそらく簡単ではないでしょう。


しかし、インフレなら、政府、日銀がやろうとおもえば、無利子国債を引き受けてもらうなど増税よりもひそかに老人に気づかれないようにやることができると思います。


インフレで円安にもっていければ、日本の輸出企業もサムソンのようにぼろ儲けできるでしょうから、法人税収もあがるんじゃないですかね。