解雇規制撤廃の唯一の問題

日本は解雇規制が非常に厳しく、一度期限の定めのないの採用をすると基本的に65歳まで雇用し続けなくてはいけない。
更に、採用した人がサボリーマンになってしまったとしても給料の引き下げはちょっと困難だったりもする。


これだと、そんなに気軽に正社員は採れるわけがない。リスクが高すぎる。
普通に30年給料を払うと、なんだかんだで3〜4億円の費用がかかるわけだし。


そのせいで、「うざい就活」「求人は派遣と有期の契約社員ばかり」になっている。
さらに、当然派遣と契約社員は能力や貢献に関わらず雇用の調整弁として気軽にクビを切られる一方で、
無能、無貢献であっても正社員の雇用は守られる。まさに既得権そのものだ。


無能な正社員を解雇して、その分有能な派遣社員を雇用できれば、会社にとってはもちろんプラスだし、それによって日本の労働者全体の能力と仕事のマッチングが高まれば生産性も高まると思う。


簡単に解雇できるのならば、3億のリスクじゃなくなるからもっと気軽に雇用できるわけで求人は増えると思う。工場の海外移転も多少抑制され雇用が増える効果もあるだろう。


どの仕事でも能力がない人は、セフティネットで救う。解雇した人件費の分会社の利益は増えるわけで、プラスになる分の法人税収増で4割の財源はカバー可能。他、雇用自体の増加による税収増と失業者減でセフティネットの財源は作れるのではないか。


しかし、ひとつ問題がある。


解雇が簡単にできるようになれば、みんな解雇されることに備えるだろう。


で、するのは貯金だ。これが問題だと思う。


そうすると、タダでさえ少ない消費がより抑制されてしまい、デフレを加速することになりそうだ。
また、いつ職を失うかわからない状況だと、子供も作りにくくなるだろう。少子化も加速する。


ま、そのためにセフティネットを整備するわけだけど、働かなくても、普通に消費して子供を育てられるレベルのセフティネットを作る社会的合意は得られなさそうだ(個人的にはその線まで行くのもなくはないと思うけど)し、そうすれば勤労意欲が低下して生産性にネガティブになりそうだし。


正社員と非正規社員の既得権格差を是認して既得権者の消費と子作りに期待するか、既得権を破壊して生産性を高め、企業の利益を多くして増えた税収をセフティネットに回すか。


どっちがいいんだろう?僕は既得権破壊の方が言いように感じますが。