市場原理とサラ金

金を貸す時の金利には法律で上限があるらしい。それってなぜあるのだろう?正直いまいち意味がわからないんですよね。債務者を守るためということであれば、自己破産とか個人再生スキームとか制度が色々あるので、別に貸出金利を規制する必要はないんじゃなかろうか?第一、18%くらいの金利でもたくさん借りたら支払い不能になることは十分可能だと思うんですよね。それならば、契約自由の原則を貫いたほうがいいんじゃないだろうか。高い金利で金を借りる権利も守られていいんじゃないだろうか。


法律で上限を決めるデメリット

・今のサラ金の高い金利は、5%程度の貸し倒れリスクを見込んだものであり、貸出金利を下げるのであれば、より審査を厳しくして貸す人を選ばざるを得ないということですよね。そうするとお金を借りられない人がたくさん出てきちゃう。

・日本経済的には貯蓄の過剰による貿易黒字が大きすぎるような気がするし、需要不足でデフレ脱却しきれていない。特に内需はまだよちよちだ。これを解決するためには借金して消費してもらわないとまずいし、そういう豪気な人が減ってしまうとまたデフレになるよ。

・もしそれで、金を借りられない人が増えたら、当然ヤミ金の市場が増えて、マフィアの資金源が充実し、法律も気にしない悪い取立てがより横行することになるのではないか?

・仮にインフレが来たとすれば、だれもお金なんて貸せなくなり、家を建てたり、車を買ったりする人が激減し、急激に消費が減少するのではないか?それで金利が下がればインフレは収まるが、その境目が法律で決まっていると、急激に消費が減少してスタグフレーションになりそう。今現在も調達金利が上がっているからややサラ金も厳しいのではないかと思うし。


債務者保護ということであれば、悪質な取立てをきっちり取り締まることが先だと思う。そういう意味ではアイフルの業務停止とかは賛成。もっと例外なくきっちりやってほしい。告発ダイヤルみたいなものもあってもいいのではないか。悪質な取り立てはまともなサラ金よりもヤミ金のほうがひどそうなので、そこに対抗するには刑事でさくっと裁くことも重要だと思う。
契約書の文面に「きつかったら自己破産する権利があります」みたいなことを大書きさせておくなんてのもいいかもしれない。


そんな感じで、金利は双方が納得すればいくらでもよく、但し、取立てはルール通りにというのが一番いいと思う。そうなれば、貸す側もより真剣に審査を行い、一人ひとりの貸し倒れリスクに応じた金利と金額を提示し、借りる側も各社のオファーが異なれば数社比較したり考えて借りるようになるのではないだろうか?
貸す側が真剣にオファーした条件で借りた客がデフォルトしたならば、それは貸した側が甘いということなので、心情的にも「借りたものを返さないのは悪い」とは言いにくくなるだろう。


なんにしろ、サラ金ユーザーの勝ち組は、借りるだけ借りまくって自己破産組みで、負け組みはご利用を計画的にして返し続けている組なんで、この不公平を解消するには、個人個人に個別の金利を設定することじゃないかと思う。今も信用度に応じて、銀行<クレジット<サラ金金利差ができているが、この右側に「ヤミ金」があってはいけないと思う。そのためには上限利率なんて要らない。