市場は万能

たいていのことは個人や特定の組織が決めて動くより、市場の見えざる手が決めたほうがうまくいくとは思っている。だから、政治は個人じゃなくて多数の参加者の投票で決める民主主義のほうが優れていて、共産主義に差をつけたと思っているし、官僚が経済をコントロールすると上手くいかないというのは色々実証されているので、国有企業や政府の各種の規制などは基本的にないほうがいいと思っている。

と書くと、新自由主義、下手するとリバタリアンな人のような感じもするけれど、実は違う。市場には一部限界があると思っていて、ある程度政府がコントロールしたほうがいいと思うし、そのコントロールの仕方を決めるのが民主主義で、民主主義を機能させるのが、言論の自由と情報公開ではないかと。

政府がせざるを得ないこととしては

財産権の保障のためのこと

国の構成員の利害を調整する警察、司法は国がやらざるを得ないだろう。犯罪も増えているしむしろ現状より増やしてほしい。レッカー移動は民間に委託してもいいけど。
また、外国から国民の財産権を守るための国防は国がやったほうがいいと思う、予算的には十分だと思うが、使い方をもっと効率化する余地があるような気がする。官製談合がなくなれば少しは良くなるんかな?

生存権の保障のためのこと

見えざる手は弱者を救ってくれないからねぇ。身体に障害がある人や病気で働けない人などは労働市場では救われないし、健康であってもどうにも能力の低い人も救われない。
これは政府が救うしかないし、そうしてほしい。自分が次障害を持って生まれたとしても幸せに暮らせる社会であってほしいし、犯罪を犯さなくてもみんな生きていける社会であってほしい。
一定水準の衣食住や医療サービスはもちろん、教育を受けられる環境はどんな人にも保証されなければいけないだろう。でも、働くモチベーションをちゃんと持てる制度設計で、不正受給を防ぐ仕組みは必要だとして。

市場の機能の円滑化

競争がないと市場は働かないので、カルテルの監視とかの機能は要るような気がする、また、証券市場の監視とか、競争を働かせる上で、周波数の入札を行ったりとか市場を機能させる環境を作る機能はいるだろう。

どうにも共有物の管理

環境、道路、電波の周波数とかは政府が管理しないとまずいかもしれない。

そう考えるとけっこう仕事がありますね。でも、まだまだ余計な仕事をしまくってるから、もっと減らしてもいいと思うんですけどね。

例えば

米国産牛肉も禁輸する必要はなくて、食べたい人は食べればいい。ただ、偽装表示は厳しく政府が取りしまるということのほうが良くないですか?
公教育なんてあってもいいけどなくってもいい。教育バウチャーを親の資産や所得に応じて子供にあげるということでいいのでは?親が使い込まないように、政府が学校から親へのキックバックを厳しく取り締まると。
電波で言えば放送局や携帯電話事業の免許制とかの規制をして既得権益天下り先を作るよりも、使う電波の周波数を割り振ってさくっと入札にするのがいいと思う。少しは国庫も潤うだろう。

そんなことで、こうしてみると新自由主義者なのかな?でも、所得の再配分は欠かせないと思ってるんですけどね。

あと、資本不足の状態にある国に限っては、国営企業等の産業政策が有効なケースはあるかもなあと思っていたりもします。アジアと南米の差はそれのような。また、市場に任せると恐慌とかもあるし、産業構造の調整とか振幅が大きくなるので、その振幅を小さくすることはやってほしいと思います。景気や雇用に関しては、イマドキ政府というか中央銀行の仕事の部分が大きいですかね。でも、産業構造の調整とかは国の仕事だと思う。例えば今ならば、景気の悪い北海道から、東京や名古屋へ移住する人に対して補助をするとか。