生産性

社会全体の富を最大化すると書いたけど、この「富」は経済的なものだけを意味するつもりはないのである程度は「幸福」と言い換えてもいいかもしれない。ブータンじゃないけど、みんなが幸福なのが第一義的な目的としてふさわしい。
幸福を大きくするためには、心とか健康とか環境とか色々な要素があるけど、とりあえずその中で絶対に無視できないし、そろばんに乗りやすい経済的な要素中心に考えてみたいので、富側からアプローチしたい。

まず1つ目のテーマ、「幸福の量の合計を大きくにするには、富の量の合計を大きくしたほうがいい」。少ないより多いほうがいいに決まっているので、とりあえずこれに異論はないですね。まずそのための富の配分を考えてみたい。

これは投入労働量を増やさずにGNPを最大化するということなので、答えは、「生産性を高める」ということでしかない。このためには生産性と富の配分をリンクさせ、生産性を高めるモチベーションを高める事が効果的だと思う、つまり、有能な人間や働き者にはたくさん報酬を与えて、みんなが能力を高くしようとしたり、よく働くしようにとするということ。所得の配分を市場に任せると、有能で勤勉で、人よりたくさん富を生み出す人間は、どの企業でも欲しいし、ビジネスを起こせば成功しやすいので自然に所得が高くなり、自動的にこれは実現する。
資本主義&小さな政府はこのためには向いている。社会保障はこのためにはネガティブに働くと思う。

あと、もう一つお題があって、「幸福の量と富の量は線型比例ではない」と思うのです。限界効用逓減が、富の量とそれがもたらす幸福の間にも成立していると思います。
具体的にいうと、年収100万の人が年収200万になったら、幸福の量も倍くらいになるかもしれないが、年収8000万の人が8100万になっても幸福の量にはほとんど差がなく、8000万の人が1億6000万になっても倍にはならないと思う。実際消費にまわる額も絶対所得が高いほど貯蓄に回る割合が増え所得の増加ほど増えていかないし、消費こそ幸福のための効用を得ることだとすれば、やっぱりこの関係が成立する。
であれば、社会保障の重視は全体の幸福の量を高めるためには有効という事になると思う。

他にも色々思うことはあるけど、やっぱり、生産性を高めるためのインセンティブシステムとしての市場主義と、幸福の総量を高める社会保障政策の併用が一番いいという当たり前の結論になった。で、このさじ加減は、所得配分とGDPの伸び率の関係式と、所得と幸福の関係式を出せればいい線いくような気がするんですが、各国の歴史的なデータや、心理実験でできないものでしょうか?