教育支援はいいことばかりでもない

http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20090313/1236910305
を読みました。すっごく正しいと思います。


しかし、教育に対する支援は、広くばら撒くよりもできるやつと高いリターンが見込めるジャンルの教育に集中して支援していった方がよりROIが高いのではないかと思います。

できるやつに集中したほうがいいと考える理由は、それほど高等教育を必要とされない仕事も世の中には多いわけで、教育を受けた後そういう仕事に付いた場合その投資は無駄になってしまうからです。
更に無職や専業主婦や主夫になってしまえばそこで回収は終わり。

世の中にはむしろ学問のバックグラウンドを必要としない場合の方が多いのではないだろうか。同じ年数を使うなら企業内訓練やOJTで鍛えた方がいい職業も多いように思える。だから全体の進学率を上げる必要はないと思う。

将来イノベーションを起こしうるできるやつが、経済的な理由で勉強をあきらめるとすればそれは勿体無いので、こういうひとだけ支えたい。

また、進学率が上がってしまった場合、その分働いている人が減るという問題が起きる。
タダでさえ高齢者が増えて働く人の比率が下がっている今、更に若い人で働く人が減れば税収も減りしんどくならないだろうか?


ジャンルを絞るべきという理由は、特に文系の多くは学んだことを仕事に直接生かせる確率があまり高くないから。

例えば文学部とかって、研究者にでもならなければ学んだことを生かせる仕事って多くはないんじゃ?

経営や経済はまだ生かせる職場が多いと思うが、法律だって法曹や法務部に行かない限りそんなに関係ないんじゃない?

だから、リターンが見込める領域に絞って支援した方が無駄がすくなそうだ。



そう考えると、今のように高等教育にはそれなりの学費がかかり、一人一人がかかるコストと期待されるリターンを自分で計算して、その上で元が取れるかどうかを考えて、進学を決めるというのも最適分配に近づくシステムとして悪くはないと思う。

遊んでるだけの大学生沢山増やしたって、社会的に何のメリットもないから。それなら働いて鍛えられた方が社会全体の生産性を高める上でもずっといいと思う。
花嫁修業に支援したってこれもなんの意味もない。

また、奨学金も、返さなければいけないお金を背負えば働かざるを得ないから、社会的に投資回収不能となる無職や専業主婦や主夫になりづらくなるだろうと言う点では悪くない。

医師不足と言われる今、一人当たり数千万の育成費用を掛けた国立医学部卒の女性が専業主婦しているなんて聞くと(女医の多くは医者と結婚する)、相当勿体無い気もしてしまうんだけど。

今がベストとも思わないけど、だれでもなんでも支援ではなく、投資回収率を高くする仕組みを作ったうえで、教育支援を行うべきではないか?