日興とライブドア

日興コーディアルの不正会計の話だけど、この後前社長がオリに入れば盛り返してくるのかもしれないが、発覚→起訴される前の時点で比較しても、ライブドアの時とずいぶん盛り上がり方が違うような気がする。この差は何だ?


罪状が違うのか?粉飾額で比較すればライブドアは16億、対する日興は140億。やりかたは少し違うが、どちらもSPCを使ったスキームで悪質度合いは同等と思える。スケールとしては日興の方がずっとでかいよね。NECエンジは360億だがトップの関与がないし非上場(といってもNECの連結子会社だが)だから少し違うのかな。


動機が違うのか?ライブドアは株価を上げて時価総額を高める目的、日興も虚偽の決算ベースでもちろん時価総額上げて、更に社債発行を有利にということで大体近い線かな?社長自身の持ち株比率が違うので、本人メリットという点ではライブドアの方があるだろうが、日興の有村元社長も、業績連動報酬やストックオプションがあるので、ややスケールは違っても両方私腹肥やしが動機という点では変わらん。


被害が違うのか?ライブドアは個人の比率が高かったので、人数ベースで言えばおそらくライブドアの勝ちだろうが、日興だって時価総額はそれなりにあるので、個人投資家のの屍もたくさん転がって入るだろう。


メディアの取り上げ方の差か?確かにそれは大いにある。その理由として推定されるのは、

■フジ−ニッポン放送あたりが私怨でライブドアを叩いたから、関心が高まりポジティブフィードバックが働いて盛り上がった。
■日興はそれなりに広告を出してくれていたので、叩きづらい。

これらが理由ならちょっと問題じゃないかな?かなりあるとは思うんだけど。

そうはいっても、一番は、「堀江社長は有名なので、みんなが見たがるけど、有村社長は知られていないので、あんまりみんな見てくれない」ということが理由だろう。有名なのはこういうときには不利に働くな。

また、エスタブリッシュに多いと思われる「国家の品格」とか好きな人(読んだことないので想像ですが)、は若くて行儀の悪い堀江社長とか単純に嫌いだからというのもあるだろう。ただ、しでかしたことの行儀の悪さは一緒だし、どちらも株屋なんだからもともと行儀がいいわけない商売じゃない。
若いのは不利なんだな。年よりは年寄りに甘いんだねきっと。


強引な結論

年寄りのエスタブリッシュメントは「若い奴は目立たず、年寄りのために限界まで働いて奉仕しろ。残業代も払わないよ」と思っているのだろう。

年寄りのドレイになれということだね。そうじゃない奴への見せしめがライブドア。日興は地味な年寄りだから大目に見るということ。


でも、検察はちゃんと有村元社長もオリに入れてくれると信じてる。そうでなかったらみんな怒るところだと思いませんか?