直感のあてにならなさ加減

僕は直感がまるで発達しておらず、そのせいで苦労しているのでいちいち色々考えるグズなのですが、女性に多い直感が発達している人も、それでも考えるべき時はちゃんと考えたほうがよく、人間は考える習慣を失ってはいけないなと思います。
直感で間違えがちな問題をいくつか書いてみますね(微妙に考えても間違いがちですが)。
直感で答えを決めてみて、その後考えて決めてみてください


カーネマン教授の問題

リンダは31歳の独身で、社交的で、非常に頭がいい。哲学を専攻し、学生時代には差別と社会正義であることに関心を抱き、反核運動にも参加したことがある。

次の2つの選択肢のうち、どちらがありそうだと思うか?
1、 リンダは銀行出納係である。
2、 リンダは銀行出納係で女性活動家である。


そんなに難しい問題ではないですよね。でも、カーネマン教授の実験ではこれをけっこう間違う人が多いそうで(正解は15%だったそうな)これを「結合の誤り」というそうです。
ちなみに正解は1です。「銀行出納係で女性活動家」は全て「銀行出納係」に含まれるので2の人は絶対に1にも当てはまるが逆はそうではないので、絶対的に1の方が確率は高いのです。


バーナム教授の問題

中国の家庭では、息子の方を貴重とするが、中国政府は一人っ子政策を採っていて、家族制限をしている。女の子は正確に50%の確率で生まれ、両親は一人の男の子を持てば、その後は生まないとする。そうすると、一人の息子を持つ家族もあるし、一人の娘と一人の息子を持つところも、二人の娘と一人の息子を持つ家族もあるだろう。このシナリオで行くと、中国の子供の何パーセントが女の子か?(死亡率は同じとして)

この問題は相当間違うそうです。問題で色々語っているので、なんか考えなきゃいけないような気がしますが、それって実は全く関係なくて、正解は、生まれる確率が50%で、死ぬ確率が同じなら、人口構成も50%女の子になるはすです。



僕の問題

10人に1人当たる懸賞があります。当選確率10%ということですね。この懸賞に10回応募した場合、残念ながら全部外れてしまい悲しい思いをする確率はどの程度でしょうか?


暗算力のテストみたいですが、エクセルの”BINOMDIST”関数を使えばすぐに計算できます。実は全部外れて悲しい思いをする確率は35%ほどもあります。僕はこれを計算してみて「えー少なー」と意外に思いました。バカですね。


エッシャーの絵みたく錯視なんてのも有名ですが、人間の直感って、ものすごく短時間にたくさんの情報を処理して高い確率で正解を出せるという大変優秀な能力があるのですが、直感が狂う条件って結構あるようで、やりようによっては多くの人に勘違いさせることも可能なんだろうなと考えています。直感に頼って考えるくせを失うとだまされちゃうかも、考えるのはかったるいのですがちゃんと考えたほうが幸せになれそうだ。


あんまり考えない人をカモにする商売っていうのも昔から結構あって、近未来通信なんてのがありましたが、もっとまともそうなところでは「今、投資信託購入と同時に定期預金に同額預けると4%の特別金利」なんて銀行の広告がよくあります。広告には4%という数字が大きく書いてあって、ぱっと見ると1000万預ければ40万利子かよ!このご時勢ありがたい話と思えるのですが、そういうキャンペーンには残念ながら必ず定期預金の条件に小さな字で「3ヶ月物限定」と付いています。1000万預けても4%の適用は3か月分だけで1/4の1%、10万円分だけ。残りはいつもの0.何%の金利です。で、投資信託って販売手数料を1−5%くらい取られるので、同額買ってもらえば銀行はばっちり儲かるわけで(本当はバックマージンでもっと入る!)、もともと投信買いたかった人にはいいのですが、年利換算表示は汚いやり口だと思います。この手の広告をしょっちゅう見かけるということはそれなりにお客さんが来るのでしょう。


政治の世界なんかでも、小泉政権はあまり考えない人(「B層」でしたっけ)の支持が高かったようで、これも直感に訴えるテクニックを上手に使っていたのかもしれません。「郵政は改革の本丸」ってのも、よく考えるともう財政投融資ってなくって財投債に変わってたから本丸でもなかったよなぁ。


とりあえず、自分が生きていくうえではちゃんと考えることが幸せへの近道のような気がする。あと、人生で成功するには、考えない人をだましてとはいわないけど味方につけるというのがポイントなような。僕は成功するセンスがなさそうだ。