格差

所得格差が増大しているだのそうでもないだのという話があるけど、若年層において広がっているという部分はどうも間違いなさそうな話のようだ。正社員とアルバイト、派遣の賃金差があり、後者の構成比が高まってきているのであればまあそうなるでしょう。
僕は格差自体が問題というよりも、健康で文化的な最低限度の生活が送れない貧困層が増えることが問題で、すごく稼ぐ人が増えるだけであればそれはそれでみんなの夢や目標になってモチベーション付けのためにいいんじゃないと思っているのですが、アルバイトの年収150万以下って言うのは貧困として微妙な線かなあって思ってます。パラサイトしていれば全く貧困ではないと思うけど、東京で一人で暮らすのは厳しいでしょう。

で、それがいいか悪いかっていうとやはり悪いと思っていて、未熟練のままに留まる労働人口が多くなるため、生産力があがらないとか、無保険者が増えるとか、所得が少ないと失うものが少ないため犯罪を犯しがちになり、治安が悪化する(死ぬか犯罪を犯すかという状況になったら僕も迷わず犯します)、とか、社会に不満がたまり政治的に極端に走りやすくなる(失業→ネオナチ、反日暴動等)とかあまり良い世の中にはならないと思うのでボトムエンドの底上げはなんとかできればと思いますね。

若い世代でアルバイトが多い理由として、本人が希望してというのもありますが、多くの人は正社員を希望しながらも卒業した時代が運悪く失われた10年の不況期にあたり、世の中に正社員の口が少なかったというのが多いと思います。言い換えれば、若い世代のフリーターの中には、他の世代であれば十分正社員で通用する能力を持った人がたくさんいるはずということがいえると思います。相場で一財産作っちゃうネオニートなんてのも有能な非正規雇用者の一例ですよね。

アルバイトからの就職が難しいという話も聞きますが、市場主義的に考えると、この世代のフリーターは能力の割に正社員として安く雇えるというところに着目したアービトラージャーな企業が増えれば、正社員としての雇用が増えると思いますがそういう会社増えないですかね。

あと、優秀な人間が多ければ、もうすぐ退職する団塊世代のお父さんの退職金を元手に、親子で事業にチャレンジなんてことが流行れば美しいですねぇ。悲惨な事になる人も一部いると思いますがそれは自己責任で。

フリーター同士が結婚する事によって世帯収入を倍増(2人分だから)させるという手もありますねぇ。世の中のお父さんも、これだけフリーターが多い世の中で「定職にもついてない奴に娘はやらない」なんて言ってるといつまでも孫の顔は見られないですよ。

しかし、そうなって子供が出来て成長したときに、成功する機会が閉ざされているという社会だけはマズイですね。その子が優秀だった場合、本人にとっても不幸ですし、社会にとってもマイナスです。高等教育の選抜がいわゆる勉強による選抜だけだと、塾などへの親の投資に左右される部分が大きそうだし(出身階層で選抜するよりずっとマシではありますが)、知能テストのような対策が難しい選抜方法を併用したり、奨学金のプログラムを拡大したりして、優秀な人に機会を与え、階層の固定化を避ける方策が必要だと思います。

まとめると、「能力格差による結果の不平等は仕方ないが、最低限の生活は保障すべき」「機会の平等、再チャレンジの機会はあるべき」「格差の固定化を避け、高い能力を持った人材がキープレーヤーとして働いてもらうようにしたい」