ワーキング・プア2を見て

あえてへそまがりな感想を書いてみたい。

■ 母子家庭

離婚して、小さい子供が2人いて、お母さんは不正規雇用の仕事をかけもちしてなんとか子供を食わせている。子供がいると、正社員になかなかなれないとのこと。睡眠時間は4時間で、あと10年はこのままがんばるつもりとのこと。気の毒感満載でした。


しかし、
まず、別かれたダンナと養育費の話は付いているのかな?付けていなければそれは手落ちの部分があるだろうし、付いていても払ってくれないなら、裁判所に話を付けてもらうといいと思う。

児童手当を増やしたりすると、悪い親(たぶん沢山いる!)だと、そのままパチンコですっちゃうから、親にお金を渡せばいいってもんじゃないと思う。手当てよりまず、せめて義務教育は給食費無料、文具も支給みたいにして本当にコストかからず教育受けられるようにするほうが先かも。お母さんが働きやすいように学童保育の充実とかもいいんじゃないだろうか?で、学童保育は遊ぶだけじゃなくて補習するの。そうすれば塾に行っている奴と勉強でも張り合えると思う。


■ 親の面倒を見る姉妹

北海道の郡部に住む姉妹。父親が倒れたので札幌への進学をあきらめ、地元の給食施設みたいなところでアルバイト中、月収は8万円。妹も同じ。調理師免許を取ったけど時給が10円上がっただけ。過疎地域なので能力の問題でなく正社員の仕事なんてない。これも気の毒。


生活保護の認定基準がわからないのだが、この女性はたぶん進学をあきらめる必要がなかったのではないか?
お父さんはちょっと寂しいかもしれないが、姉妹は札幌に進学し、奨学金と札幌でもっといい時給のアルバイトをすれば、独居になるお父さんは働くことができず、娘も学生なのだから、問題なく生活保護を受けることができるだろう。また、お父さんも一緒に札幌に引っ越すと言う手もある。学校を出て、札幌であればいい仕事につける可能性は十分ある。
「地方の切捨て」とか言うけど、ユニバーサルサービスを維持するコストはもったいなさ過ぎるし、そのために誰も使わない道路作るのも本当にもったいない。福祉のために効率よく税金を使うためには、過疎地域を捨てて都会に引っ越すインセンティブが少しあったほうがいいと思う。

サラリーマンはみんな仕事のために転勤しているわけだし、生活のために引っ越しを余儀なくされるのは当たり前のことだと思う。住むところは選べるんだから、好きで仕事のないところに住んでいながら、そこに仕事もってこいっていうのは甘くねえか?


■ 空き缶を拾う老夫婦

若いころに年金を払っていなかったため受給資格がなく、前は公園清掃のアルバイトをしていたが高齢を理由にクビになり、今はアルミ缶を拾って、それを売って生計を立てる老夫婦。子供がいるけど甘えたくないというのが親心で泣かせる。また、万一のために100万ほど貯金があるので、生活保護も受けられない。


なんか識者みたいな人が生活保護の運用をもっと柔軟にとか言っていたが、貯金0の世帯が2割という世の中で、100万の貯金がある世帯に生活保護を支給するっていうのはこれはちょっとありえないんじゃないだろうか?フローが少なければストックがある世帯にも生活保護を支給していったら、定年退職者はみんな生活保護受けに来ちゃうよ。
生保受けたければストックなし、のルールは最低限のルールだと思う。通勤に欠かせない車は、地方では持っていてもいいと思うけど、家屋敷も当然売ってその金使い果たしてからでしょ。資産持ちを国が助ける必要はぜんぜんないと思う。また不正受給を防止し、資産状況調査の事務コストを下げるためにはアメリカの社会保険番号のようなものがあったほうがいいのではないか。
どうしても貯金に手を付けたくないのなら、それは好きで生活保護を受けていないとしか言えないのではないか。まず、貯金に手を付けよう。
そして、子供も良くない。親心とは別に、扶養の義務があるんだぜ。


■ プレスの仕事をする夫婦

服を出荷する前に、アイロン掛けて形を整える自営業をしている夫婦。時給600円で働く中国人研修生を使う業者による価格破壊で、請負単価が3年前の100円が50円に低下し、売上げが500万から250万に半減。ここから原価を引いたら食えないので、奥さんは、プレスの仕事に加えパートにも出ている。


この人は一応事業家だからなぁ。事業にはリスクは付き物だしそんなに同情心はわかなかった。中国人が安く働いているおかげで安く服が買えるようになったわけだし、中国人を追い出したら、こんどは中国からの製品輸入が増えるだけでしょ。生産性の低い企業は早く退場して、高い生産性を上げる企業に市場を渡すべき。
夫婦2人で年間250万の売上げでしょ、原価率2割とすれば、利益210万。月に2人で8時間×21日働いたとすれば時給換算600円強で中国人と変わらない。この事業はもうムリ。早く商売止めて、二人ともアルバイトでもすべき。ベテランで腕がいいなら中国人のインストラクター兼務として、時給900円は取れるんじゃ?
それとも、ここにも国が農業みたいに補助金出すべきだと思いますか?


何も考えずに番組を見ると気の毒な気にさせられるが、よく考えると、みんな「別れたダンナの世話になりたくない」「引っ越したくない」「貯金を持っていたい」「商売を変えたくない」など、生き方にこだわりを持っていた人が多かったような気がする。こだわりを通して苦労するのは自由だけど、そういう人も全て国や社会が救う必要もないのではないかと思った。

世の中にはもっと困っている人がたくさんいると思うんだが…….